「いいわ。その賭けに乗りましょう」

そうか。では、精々俺を楽しませてくれ。

「…。嫌な人ね」

そう言いながらもお前は笑うんだな。







-なにひとつ疑わない君-








暇だった。
只それだけ。
そんな時あいつを見つけた。
遊戯の中の人物を愛した女、を。







始めは単なる好奇心。
いつまであの想いは続くのかという。
きっと直ぐに諦めるだろう。
結局は遊戯の中の人物なのだから。
でも、あいつは諦めるどころか日ごとに想いを膨らませていって。







次は単なる暇つぶし。
あいつが横断歩道を渡っていると突っ込んできた居眠り運転のトラック。
呆気なくあいつは死んじまって。
そのまま転生の輪へと行くのを見ててもよかったんだが。
あいつが居なくなるとまた暇になるから俺の元に呼んでみた。
そして一つの提案を。
俺の言った事にあいつは直ぐに頷いた。
やっぱり変な女。







最後は悲しい罪悪感。
あいつが遊戯の中の世界へと行っても想いが叶わない事は知っていた。
でも俺は暇つぶしと好奇心の為だけにあいつを送った。
声まで奪って。
でもあいつは俺に何も言わなかった。
最後まであいつは俺を罵る事無く消えていった。
何か言って逝けよ。
そうすれば俺はこんなに思い悩まないですんだのに。







お前は何も疑わないで逝ったんだな。
俺はお前の命で暇つぶしをしていたのにな。





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