一人で泣くな。
俺を頼れ。
そうすればお前を包んでやるから。
-告げるつもりはないけれど-
子龍が嫁を貰う事になった。
俺はてっきりと一緒になるものだと思っていたのに。
言葉は通じなくてもあいつらはいつも何となしに思い伝わっていい雰囲気だったのに。
庭掃除をするに尋ねるがあいつは笑っているだけ。
何でだ?
お前は子龍の事が好きなんだろう?
「言えば良いだろう?お前の気持ち」
「
いいません。彼が幸せならそれで」
「それで良いって言うのかよ」
「
はい」
いつもと変わらない笑みを浮かべあいつは庭を掃きつづけ。
でも、一瞬曇った表情を俺は見逃さなかった。
「お前が良いならいいがな…」
「
ありがとうございます」
そんな泣きそうな笑顔を見せるな。
俺が帰った後、一人で泣くのだろう?
お前は気付かれていないつもりなんだろうが。
子龍をやめて俺にしろ。
そう言ってやろうか。
でも今は言えないな。
俺は卑怯な男にはなりたくないからな。
でも、子龍が婚儀を終えた後なら…。
まぁ、どちらにしろ今俺の想いを告げるつもりはないけれど。
素材 : 神楽工房 様